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上演台本『わたし、病気なんです』
¥1,000
2025年5月上演。 とあるカラオケ店の店長・片山。 転職を繰り返してきた彼は「我慢が足りない」「未来が見えない」と親や彼女からもあきれられていた。 今度こそ、今度こそは― 不退転の決意で挑んだカラオケ店だったが、アルバイトたちとの温度差に愕然とする。 遅刻・欠勤は当たり前。接客業なのに覇気がない。そのくせ仲間同士のおしゃべりは仕事中でもお構いなし…… 客からのクレームも多く、本部からは片山に懐疑的な目が向けられていた。 「このままではマズイー」 片山はまず、遅刻・欠勤をなくそうと呼びかけたが 「わたし、病気なんです。」 アルバイトの一人がつぶやいた。 いわく、心の病気だから思うように動けない。決してサボっているわけではない。私のせいじゃない、病気が悪いんです…… そう主張する彼女に片山は― ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 新型うつと呼ばれる「仕事には行けないけど、自分の好きなことは生き生きしてやっている」という心の病があります。 昭和生まれの僕は「それは甘えてるだけじゃないの?」とか色々思うわけですが、とあるお医者さんの言葉ではっとしました。 『たとえそれが病気ではなく、性格的な問題だとしても、そんな言葉は何も生まない。』 「甘えてる」「ワガママだ」「弱いだけ」「努力しろ」と頭ごなしに言われて「じゃあ頑張ります!」となる人はそうそういない。「自分はダメなやつだ」と余計にできなくなってしまう…… パワハラという言葉も一般化し、価値観が変わっていく現代。 時代に合わせて変化できる人もいれば、これまでの価値観にしがみつく人もいる。 一見、ルーズに見える人々を通して、価値観の変化に右往左往する人たちを描いていきたいと思います。
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上演台本『中央区大名』
¥1,000
2024年12月上演。 若者のまち福岡市中央区大名。 セレクトショップやカフェ、居酒屋、バー、カラオケ…… 福岡のみならず、九州一円から若者たちが集まって来る。 ここに来れば楽しいことがある。ここにいれば人生が変わる。華やかで楽しい時間が永遠に続く。そう思っていた。けれど―華やかなモノの裏には、同じくらいに濃い影がある。 大名に集う人々の夢と挫折、そして自分らしい生き方を見つけるまでを描いた青春群像劇。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 以前『中央区今泉』という作品を上演したのですが、今作は全然別物です。『今泉』のリメイクではありませんし、完全新作です。 ではなぜ紛らわしいタイトルなんだという感じですが、描きたいことが同じ青春群像劇だからです。 僕自身は四捨五入したら50歳になってしまうオジサンなんですが、役者16人の平均年齢は29歳。青春真っ只中もいれば、そろそろ終わりが見えて来たコもいる。 若い頃「この楽しさ(あるいは苦しさ)は永遠に続くものだ」と無邪気に考えていました。そして、何かが終わってしまうことに寂しさと恐怖を感じてもいました。 しかし、年を重ねると「永遠などない」という当たり前の事実に気づきますし「終わりがあるから始まりがある」という真理も実感するわけです。 若さはそれだけで価値がありますが、ともすれば「いつまでも若く」といくつになっても「終われない、終わってはいけない」価値観が蔓延しているようにも感じます。 だからこそ、青春の始まりと終わりを描いた群像劇を作りたいと思ったのです。 総勢16名で送る青春群像劇。 ニヤニヤして眺めていたら、やがてハッとし、胸に何かが突き刺さる作品をお届けします。
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上演台本『となりの田中さん 2024ver.』
¥1,000
2024年9月上演。 田中千裕・孝一郎夫妻が引っ越してきたアパートは、偶然にも四部屋全てが「田中さん」であった。 「同じ田中同士、仲良くしましょうね。」と挨拶を交わしたはずが、なんだか気になるとなりの様子。 「あちらの田中さんは……」「こっちの田中さん……」「向こうの田中さんは……」 と互いを比べ、ねたみ、そねみ、ひがみ、やっかんでしまう。 やがて、千裕たちの関係もギクシャクしていき― ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 10年前に九州戯曲賞大賞を受賞した代表作です。 これまで3度上演してきましたが「大賞を受賞したホンだから」という理由で、一度も手を入れることなく、初演と同じまま上演してきました。 しかし今回、ガッツリ手を入れています。 基本的な流れや構造は変わらないですが、セリフはかなり手を入れました。10年経った今見ると、不自然なセリフや説明過多なものが多かったからです。 率直に言うとヘタなんですが、でも、戯曲の評価というのは上手い/ヘタだけではありません。「何を描こうとしているのか」が一番大切なのであって、そういう意味では、受賞に足る作品であったと自負しています。 SNSが広まり、他人の生活が当たり前に見えるようになった現代、なかなか「人は人、自分は自分」と割り切れないものです。 そんな哀しい現代人の姿を描きました。 ニヤニヤして眺めていたら、やがてハッとし、胸に何かが突き刺さる作品をお届けします。
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上演台本『家中(かちゅう)の栗 2024ver.』
¥1,000
2024年6月上演。 とある田舎の名家・岡田家。 が、なぜだか長男は代々ろくでなしばかり。 令和の現在も例にもれず、長男は放浪の末、妊娠した新妻と借金を連れ、帰ってきた。 地元では評判の 「絆が強い岡田家」 出来の悪い長男を放っておくわけにはいかない。 しかし、誰も火中の栗を拾いたくはない。 いかにして逃げ切るか― 本音と建前が交錯する親族会議が今、始まる。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 25周年記念公演ラッシュ第二弾は2014年上演『家中の栗』をリメイク、2024ver.として上演します。 SNSが発達した現代。悪事を働いた人間にはこれでもかというほどの正論の矢が飛んできます。 正論や正義というのは大切なものですし、清く正しく生きていきたいものです。 しかし、いざ自分が当事者になった時、本当に正しく振舞うことができるのでしょうか。 そんなことを考えながら、今回の作品を作りました。 ろくでなしの長男を声高に批判しながら、逆に古い価値観に縛られ狭量になってしまった人たちを描く会話劇です。 「こんなことあるある、こんな人いるいる」と感じていただければと思います。 ニヤニヤして眺めていたら、やがてハッとし、胸に何かが突き刺ささる作品をお届けします。
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上演台本『twilight』
¥1,000
2024年4月上演。 タクシー運転手の渡瀬は、繁華街で偶然、中学時代の同級生を乗せる。 若気の至りで深く傷つけてしまった、いわくつきの女性。 十数年振りに再会した彼女は美しい大人の女性に成長していた。 外見的には…… 彼女が告げた行き先は、周囲を深い森と鉄条網に囲まれた、小さな教会。 そこで渡瀬が見たものは― ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 25周年記念公演ラッシュ第一弾は、2007年劇団初のロングラン公演で上演した『ヘルメット・オン・ザ・ビーチ』をモチーフに新作を作りました。 10日間・14ステージのロングラン。 750名以上の観客を動員、興行的には成功と言えるものでした。 しかし、作品そのものは決して満足のいくものではありませんでした。 劇作も演出も未熟なうえ、初のロングランというプレッシャーにも押しつぶされ、描きたいものを上手く描くことができなかったのです。 いつかもう一度、と思い17年ぶりのチャレンジです。 新興宗教の教団本部を舞台に、混迷を深める現代日本で、いかに生きていくべきか、を描き出します。
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上演台本『捨てられない女たち』
¥900
2023年8月上演。 昭和30年代に登場した「団地」 ダイニングキッチン・ステンレスの流し台・水洗トイレなど、最先端の設備が備わり「ダンチ族」という言葉が生まれるほど、団地に住むことが一つのステータスであった。 それから半世紀。 庶民の「夢」は老朽化が進み、当時の輝きはない。 真琴と白石の住む団地も高齢化が進み、孤独死の問題も顕在化してきた。 事態を重く見た住民たちは、近隣の大学と提携、空き店舗にコミュニティカフェを立ち上げ、団地の再生を目指すがー ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 今回の舞台はコミュニティカフェ。カフェの中で登場人物たちがああでもない、こうでもないと会話をしているお芝居です。 僕たちの作品に登場するキャラクターは小市民。つまり、僕やあなたと同じ「普通の人」たち。その人たちが見栄や偏見、ささいなプライドに振り回され、右往左往している姿を描いています。 かつては庶民の憧れであった団地。それが今では「古臭いもの」として見られている。 その姿が混迷を深める現代を象徴しているような気がして、物語の舞台に選びました。 ニヤニヤして観ていたら、やがてハッとし、胸に何かが突き刺さる演劇をお届けします。
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上演台本『300坪』
¥800
2022年9月上演。 母の三回忌のため、久しぶりに実家へ顔を出した三姉妹。 裏庭にある広大な菜の花畑は、今年も美しく咲き誇っていた。 いつまでも変わらないと思っていた故郷― だが、叔母がホストクラブにハマったところから歯車が狂い始める。 父が母のために作った菜の花畑を売却させようとしているのだ。 独り身になり全てが面倒になった父も、叔母に流されるようにして判を押そうとしている。 必死に抵抗する三姉妹だったが…… ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 300坪は小学校の体育館くらいの広さだそうです。 コンビニにたとえると約10軒分。結構な広さですね。 とはいえ、一坪の価値は場所によって変わるので、300坪=お金持ちというわけではありません。 天神のど真ん中と田舎の一坪では価値が全然違うのです。 が、 「敷地面積300坪です」 と言う時、言う方も聞く方も「すげえ」と思ってしまう。 それはおそらく「300坪=お金持ち」みたいな、数字から想像するイメージがあるからなのでしょう。 今回はそんな「イメージに振り回されるひとびと」を描きたいと思います。 田舎の農家を舞台にした会話劇です。 演劇には「眼の前で生身の人間が演じるがゆえの強さ」があると信じています。 ニヤニヤして眺めていたらやがてハッとし、胸に何かが突き刺さる演劇をお届けします。
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上演台本『だめな大人』
¥800
2022年12月上演。 不慮の事故で夫を失った伊藤聡美。 静かな田舎町へ移住し、少しずつ生きる希望を取り戻していく― はずだったが…… 「おすそ分けだよ!」「パワースポットへ連れてってあげる!」「焼き物体験してみるかい?」 町の人々は彼女を癒そうとあの手この手で絡んでくる。 最初はありがたかったが、連日続く親切にだんだんと疲れてくる聡美。 そんなある日、一人の男性が連れられてきた。 「孤独を癒すには新しい伴侶が必要よね?―」 困惑する聡美をよそに、人々の親切はエスカレートしていき…… ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 他者との付き合い方というのは難しいものです。 相手のためにやったことがありがた迷惑だったり、手をこまねいていると「何も言ってくれない!」と逆にひんしゅくを買ったり…… 他者の気持ちというのは本当にわからない。 だからこそ、相手のことをよく見て、聞くことが必要なのかもしれません。 「自分らしく」という言葉が象徴するように、「自分」が大切にされる現代。 行き過ぎてしまうといつでも「自分」が優先になってしまう。 そんな現代人の、ともすれば滑稽な姿を描きました。
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上演台本『まっすぐ目を見て話してください』(2021)
¥800
2021年8月上演。 お姉ちゃんが帰ってきた。 お姉ちゃんは「ホンモノ」の横浜で暮らしていた。 なんかよく知らないけど「ギョーカイ」で活躍していたらしい。 片やわたしは「ニセモノ」の横浜で暮らすニートだ。 母親が経営するおしゃれカフェをちょいちょい手伝ってはいるけど、そんなの労働のうちには入らない。 お姉ちゃんはまっすぐあたしの目を見て言った。 「あんた、人間としての基礎がなってないよ。」 そう、あたしは人の目もまっすぐ見ることができないダメ人間だー ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 脚本・演出の幸田です。 福岡市西区に「横浜」という地名があるのを知ったのは10年前です。 仕事でたまたま訪れたそこには「横浜」という地名板がありました。 すぐそこに海があって、穏やかな、とてもいいところです。 けれど横浜といえば、関東圏にある「あの横浜」を思い浮かべる人の方が多いかもしれません。僕はそうでした。 「あの横浜」と「この横浜」は同じ横浜でも全然違う。 そこに妙な面白さを感じ、『65%悲劇』という作品を書きました。 それから3年。 『65%悲劇』を下敷きに、『かなしいしあわせ』という作品を書きました。 そして『かなしいしあわせ』から7年経った今年、やっぱり西区横浜を舞台にした今作を書きました。 選択肢が多い現代、自由に生き方を選ぶことができるのはとても幸せなことだと思います。 が、選択肢が多いがゆえに、何を選んでも他に正解があるのではないかと迷ったり、不安に思ってしまう・・・・・・ 『65%悲劇』『かなしいしあわせ』の中で、そういった現象を「幸せ探し病だよ」と揶揄するセリフを書きました。
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上演台本『親がバカだから』(2020)
¥800
2020年11月上演。 美香凜は25歳。 3年付き合った彼氏からプロポーズされた。 一部上場企業勤め、性格も穏やか、社会の変化にも敏感、女性蔑視の価値観などみじんも持ち合わせていない。 将来、きっとイクメンにもなるだろうし、実家はそれなりに裕福なご家庭らしい。 いや、そんな条件面云々ではなく、美香凜は彼を心から愛している。 プロポーズはもちろん二つ返事でOK―とは言えない事情があった。 美香凜の親がバカなのだ。 学がなくても人間的に優れた人はたくさんいる。 が、母親はそうじゃない。 18で美香凜を産んで奔放に生きてきた。おかげでたくさんの苦労をさせられた。 大切な高校受験の前日、警察沙汰になった母親を迎えに行った時には、本当に殺してやろうかと思った。 結婚は二人の問題と言うが、やっぱり「家」というものがついてくる。 あんな親で彼の家と釣り合うはずがない― 愛する彼と忌み嫌う母親、二人の間で揺れる美香凜であったが…… ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 作・演出の幸田です。 自慢じゃないが賢い子でした。 高校生までは超難関大学へ手の届きそうな成績で、 あのまま演劇などにうつつを抜かさず、ストレートに歩みを進めれば、きっとお金持ちだっただろうな、ということを考えることがあります。 けれど、相当嫌なやつになっただろうな、とも思うのです。 恥ずかしながら学歴や家柄で人を値踏みする子でした。 しかし、演劇にハマり脇道に逸れてからはそんな自分に気づくことができました。 演劇には本当にいろいろな人がいたからです。 もちろんいい人ばかりではなく、人間はここまでクズになれるのか、という人もたくさんいました。 けれどそのすべての出会いが人間というものを教えてくれたと思っています。 この作品で「差別や偏見はだめだよ!」と声高に訴えたいわけではありません。 ただ、世の中には本当にいろいろな人がいる、その一点を描きたいと思っています。 互いが互いを非難し合うギスギスした空気を感じる今だからこそ、 劇場で、画面の向こうで、僕たちの演劇を感じていただければと思います。
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上演台本『女の幸せ』(2019)
¥800
劇団HallBrothers20周年記念公演ラッシュ④秋『女の幸せ』上演台本です。
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上演台本『足は口ほどにものを言う』(2019)
¥800
劇団HallBrothers20周年記念公演ラッシュ③夏『足は口ほどにものを言う』の上演台本です。
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上演台本『半径50メートル』(2019)
¥800
劇団HallBrothers20周年記念公演ラッシュ②『半径50メートル』の上演台本です。
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上演台本『Sour Grapes』(2019)
¥800
劇団HallBrothers20周年記念公演ラッシュ①初春『Sour Grapes』の上演台本です。
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上演台本『あの人、賃貸だから』(2018)
¥800
劇団HallBrothers2018公演②『あの人、賃貸だから』上演台本です。
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戯曲『となりの田中さん』
¥1,000
九州戯曲賞大賞受賞作『となりの田中さん』の戯曲です。
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